Advanced Network Systems Lab.
近年、スマートフォンやタブレットPCなどの普及に加え、テレビなどの家電製品までのがインターネットに接続されるようになりました。このようにネットワークを利用したサービスが多様化したことにより、ネットワークを流れる情報量がますます増加しています。それらの様々なサービスと膨大な情報を転送するために、無線ネットワークやフォトニック(光)ネットワークを中心とした新しいネットワークの設計や既存ネットワークの効率的かつ信頼性の高い利用方法を研究しています。
Keyword:光ネットワーク クラウド データセンター スマートフォン サイバーフィジカル
本研究室で扱う研究テーマは「アクセスネットワーク」「ミドルウェア・ネットワーク設計」「コアネットワーク」の主に3つに分類されます。
以下では、研究テーマの紹介をします。
アクセスネットワークでは、ユーザ端末からコアネットワークへアクセスするためのネットワークにおいて、主に無線通信やセンサーネットワークに関する研究を行います。本研究室で扱う研究テーマは、非常時の音声通信受付制御やアドホックネットワーク、センサーネットワークなどがあります。
地震や火災などの非常時では、被災地もしくは現場周辺への安否確認の通話、被災地からの安否報告や、警察や消防などへの緊急通報等により、大量の呼が発生する。これにより現地の回線交換網において輻輳が発生し、接続が困難になる問題がある。このような状態のときに、音声品質を保ちながらもできるだけ多くの通話要求を収容するための研究をしています。
主に、IP電話網における呼の受付制御や使用帯域の制御、コーデックの切り替えなどの研究を行っています。
<キーワード>非常時通信、帯域制御、音声コーデック、VoIP
アドホックネットワークは、基地局やアクセスポイントを必要とせず、端末同士でネットワークを形成できるため、ネットワークインフラが設置できない場所においても通信可能になる。今までのアドホックネットワークはデータの通信を行う際に、無指向性(360°の方向にビームを放射する)アンテナの使用を前提として設計されている。しかし欠点として、通信しない方向への電波干渉やそれによって通信が制限される端末が増え、空間利用効率が低下するという問題がある。そこで、通信したい方向のみにビームを放射できる指向性アンテナを使うことで、近隣の端末への干渉が減り、通信制限を受ける端末が減少することから、空間利用効率の向上が見込める。
当研究室では、上記アドホックネットワークの指向性通信における、リンク切断の減少、空間利用効率の向上などを目的とした研究を行っています。
<キーワード>アドホックネットワーク,指向性アンテナ,無線通信
センサーネットワークとは、多数の無線センサを配置して、そのセンサから情報を得るというしくみです。例で言うと、屋外であればGPS.屋内であれば、制御装置やスマートホームなどもこのセンサーネットワークに分類されます。私達の研究では、主には位置推定を研究をしています。現代の無線技術は多数あります。例えば、無線LAN(Wi-Fi),BLE(Bluetooth Low Energy )などがあります。そのような様々な無線技術を用いて研究を行っています。
私達の研究室ではBLEを主に取り扱っています。BLEビーコンと呼ばれるビーコンを用いて、壁などの電波を遮蔽してしまう屋内環境での位置推定などを行っています。
<キーワード>GPS,位置推定,制御装置
ミドルウェア・ネットワーク設計では、ユーザ端末からサーバ間のネットワークの設計、制御に関する研究を行います。本研究室で扱う研究テーマは、ネットワークやサーバの仮想化技術、ネットワークセキュリティ、データセンターネットワーク、高速転送プロトコルなどがあります。
近年、スマートフォンや情報家電の普及により、ネットワークサービスが多様化している。それら様々なネットワークサービスを提供するためには、ネットワーク機能を実装する装置が必要となる。
しかしながら、従来は、新規ユーザの加入、ネットワーク機能の追加要求時において、機能ごとに異なる専用装置の調達や配備を行う必要があり、設備および運用コストの増大が生じる。
そこで、複数のネットワーク機能を専用装置ではなく、サーバ仮想化技術を用いて汎用サーバ上へ仮想マシン(VM)として実装するネットワーク機能仮想化(NFV)の検討がされている。NFVとはネットワーク通信機器の機能をソフトウェアとして実装し、仮想化されたサーバーのOS上で実行する方式である。これにより、設備および運用コストの低減や機能の利用状況、負荷に応じたVMの増減と資源割当が可能となる。
当研究室では、上記のNFVやソフトウェアでネットワークにおける経路を集中制御するSDNに関する研究を行なっている。主に、NFVとSDNを用いて複数のネットワーク機能をまとまった1つのサービスとして各ユーザに対して提供する“サービスチェイニング”、ネットワークサービス要件に応じた資源割当手法や経路制御手法に関する研究を行っている。
<キーワード>サーバ仮想化,NFV,SDN,サービスチェイニング
インターネットの普及により、様々な情報をやり取りする上で、インターネットが必要不可欠となっています。そうした環境の中で、悪意をもつユーザによって、システムを停止されたり、機密情報を盗まれたりする等のセキュリティ脅威が存在します。
当研究室は、これらの攻撃に対処するためのセキュリティ技術について研究しています。
攻撃の手法は多岐にわたる上、日々進化していくため、それらの攻撃に対応できるようにする場合、攻撃の特性について知る必要があります。
普段受け取っている通信の中にも未知の攻撃の通信が含まれています。そのため、それらの通信を解析し、未知の攻撃等の特性を理解することによって、攻撃と思われる通信を振り分けて攻撃を受けることを防ぐことや、ネットワークの的確な制御を行なって、他の端末へ感染が拡大しないように行なったりすることにつなげることができます。
このような攻撃を検出し、かつ安全な通信を行える環境を実現することを研究しています。
<キーワード>セキュリティ,ネットワーク制御,SDN,ハニーポット,攻撃予知,未到達IP
近年、クラウドサービスの拡大などに伴い、データセンターの設置数は増大、サービスの多様化、消費電力も増大傾向にある。
データセンターはサーバー群とそれらを接続するネットワークから構成され、サーバーはラックに収容され、各サーバーはTop of Rack(ToR)スイッチによって、相互に接続されている。従来のデータセンターネットワークでは、電気パケットスイッチによる通信が行われていた。しかし、電気パケットスイッチによる通信では、消費電力の増加、QoS(Quality of Service)を満たせないといった問題がある。そこで、光回線交換(OCS)と呼ばれる光による通信を行える光スイッチを用いることで、消費電力量の減少、高速な通信を行えるようになる。
当研究室では、上記の光通信を用いたデータセンターネットワークにおける、トラフィック集中による呼損の減少、消費電力の低減に関する研究を行っています。
<キーワード>データセンターネットワーク,OCS,fat tree
コアネットワークでは、大容量のデータを伝送するバックボーンネットワークにおいて、光通信技術を用いた新しいネットワーク構築、制御に関する研究を行います。本研究室で扱う研究テーマは、エラスティック光ネットワークです。
光基幹ネットワークでは、トラフィック伝送を行うために、光回線交換方式によって送信元ノードから宛先ノードへと光パスを設定する。その際、従来のWDMネットワークでは、波長分割多重方式により、ITU-T G.694.1に示されている固定グリッド間隔(100GHzもしくは50GHz等)に配置する光周波数スペクトルを光パスに割り当てる。すべての光パス設定要求に対して固定的な帯域を割り当てるため、小さな帯域しか利用しない光パス設定要求に対しても同じ帯域を割り当ててしまうため、実質的に利用されない帯域が生じてしまう。
近年では高速ブロードバンドの普及やビデオストリーミングの需要が高まっているため、インターネットトラフィックは増加の一途をたどっている。そのような増加し続けているトラフィックを収容するためには、限られた光周波数スペクトル資源をより効率よく利用し、伝送容量の大容量化を実現する必要がある。
そこで現在、エラスティック光ネットワークが注目されている。
エラスティック光ネットワークでは、光周波数スペクトルのグリッド間隔を細かくし、光OFDM(直行分割多重)技術を用いることで、光周波数スペクトル資源を必要量だけ光パスに割り当てることができる。これにより光周波数スペクトル利用効率を向上することができる。さらに、各光パスの通信品質に合わせて最適な変調方式をその光パスに割り当てるため、より多くの光周波数スペクトル資源の節約が可能となる。
エラスティック光ネットワークでは、最適な変調方式を用い、必要量の光周波数スペクトル資源の割り当てを行うため、WDMネットワークよりも柔軟なかつ効率の良い帯域割当てを実現することができる。
本研究室では、エラスティック光ネットワークにおける光パスの光周波数スペクトルへの割当て手法等の研究を行っています。
<キーワード>エラスティック光ネットワーク,光パス設定,光パス分割,RSA,RMLSA
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担当:サーバ
2月生まれ
研究分野:光ネットワーク
趣味:旅行、スポーツ観戦
コメント:午前中に予定を入れる
担当:幹事
12月生まれ
研究分野:光ネットワーク
趣味:旅行、ゲーム
コメント:頑張ります!
担当:副幹事
6月生まれ
研究分野:光ネットワーク
趣味:サッカー観戦、映画鑑賞
コメント:充実した研究生活を目指します
担当:雑務
4月生まれ
研究分野:センサーネットワーク
趣味:ゲーム、旅行、音楽鑑賞
コメント:頑張ります!よろしくお願いします!
担当:ネットワーク
5月生まれ
研究分野:光ネットワーク
趣味:ゲーム、動画鑑賞
コメント:よろしくお願いします!
担当:サーバ
3月生まれ
研究分野:データセンターネットワーク
趣味:音楽鑑賞、映画鑑賞、陸上、読書
コメント:楽しく研究をしていきます
担当:雑務
6月生まれ
研究分野:アドホックネットワーク
趣味:スポーツ観戦(バスケ、サッカー)、旅行
コメント:モチベの保ち方忘れたけど何とか頑張ります!
担当:サーバ
1月生まれ
研究分野:光ネットワーク
趣味:ゲーム
コメント:よろしくお願いします
担当:雑務
12月生まれ
研究分野:センサーネットワーク
趣味:穴釣り、TOMATIN12年をロックで飲むこと
コメント:爆羅漢ゲバラ七兄弟六男
担当:雑務
8月生まれ
研究分野:アクセス
趣味:ゲーム
コメント:1年間頑張ります
BLE ビーコンを用いた三次元屋内位置推定手法
交差点における自動車と通行人の走行情報の共有による安全性効果
モバイル環境におけるFECの評価
指向性通信アドホックネットワークにおける経路選択手法
分散制御 SDM-EON におけるリンクコア数を考慮したパス設定手法
SimBlock におけるシャーディングプロトコルの実装と評価
拠点連携を考慮した非常時一般通話の呼受付制御手法に関する研究
トーラス型光データセンターネットワークにおける経路決定手法に関する研究
分散制御SDM-EONにおける光パス設定方式に関する研究
重畳符号化を用いたEONにおける再配置を考慮したパス設定手法
SDNを利用したアプリケーション通信品質を考慮した経路制御手法
非常時の5G環境における呼の収容数増大を図る受付制御手法
大容量コンテンツにおけるヒット率を考慮したキャッシュ分散配置手法
スマートメータ無線デバイスを用いた複数の無人移動機の階層型経路構築法
複数の障害物による減衰を考慮したBLEビーコンを用いた屋内位置推定手法
Webページの滞在時間を考慮したユーザ興味情報の予測手法
指向性アンテナを用いたアドホックネットワークにおける通信状況を考慮した経路制御方式
DRDoS攻撃に対する破棄要請プロトコルを用いた防御手法
SDM-EONにおける共有バックアップパス選択手法に関する研究
重畳符号化を用いたEONにおける資源利用状況を考慮したパス設定手法に関する研究
無線メッシュネットワークのクラスタベースルーティングにおける負荷分散手法の検討
指向性アンテナを用いたアドホックネットワークにおける経路選択手法の検討
映像ストリーミングにおけるSDNを用いた負荷状況を考慮した経路選択手法の検討
ネットワークカメラシステムの転送データサイズを考慮したサービス機能配置手法の検討
BLEビーコンを用いた障害物を考慮した屋内位置推定手法
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工学院大学 新宿キャンパス22階
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